椎名軽穂 新作 読み切り「見たい・みたい」別マ9月号 2022 ネタバレ・感想・考察
椎名軽穂 新作 読み切り「見たい・みたい」別マ9月号 2022 ネタバレ・感想・考察
「君に届け」以来の新作が登場です!!今のマスク生活の恋物語をどうぞ!お楽しみください!
「俺 先輩の顔が見たいです」
思わずスルーする美月。マスク姿のふたり。
小山「そーっすよね、順番間違えました。まず自分が見せるべきでした」
美月「ちょ!!ストップストップ だめだめだめ!!」
小山「・・何でですか?見たくない感じですか?」
美月<見たい。めっちゃ見たい。でもすごく見せたくない!>
美月は感染予防だと言って距離を取ります。するとバスが来てしまい・・時間が止まってほしいな〜と思う美月。
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美月は3年生。相手は1年生の小山くん。
バスに乗り込もうとする美月に「先輩ってこの事誰かに話しましたか?俺たちが付き合ってることです」
こう言われて<・・・・・ほんとに 付き合ってた。 あー今日も LINE が聞けなかったーー・・なんて思いながらバスに乗り込みます。
付き合って1か月。私たちのことは誰も知らなかった。誰も知らないどころか、私も何も知らなかった。
1年生の小山くんは見た目も幼く、殆ど小学生。1番小さくて可愛い〜と3年生の間で話題に上がります。そんな小山君を美月はめちゃくちゃかっこいいと思うのです。
美月は女子トイレでマスクをつけたり外したり・・つけている方が大人っぽく見えるかな〜なんて思うのです。
週3回。塾に通うバスを待つ短い時間だけが、部活帰りの小山くんとたまたま会える時間だった。
マスク姿の小山くんを横目で見つめ、どんな顔をしているんだろう・・と思います。
美月は勇気を振り絞り、小山くんにLINEを聞こうとしますが・・
小山「あ おれ キッズ携帯です」
美月「・・え!?」<・・・・・・失敗 した>
小山「・・すいません。あ でも SMS だったら・・・・」
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するとここで3年の同級生が話しかけてくるのです。お前ら仲いいの??なんて同級生の男子に言われ、美月は早く帰るように促します。
同級生を追い払い、二人になりとドキドキのの美月。
小山「先輩 おれのことが恥ずかしいですか?
だったらもうやめましょ。付き合いたいだけだったら、他にもいると思うし」
美月「・・・え・・?」
小山「今までありがとうございました」頭を下げます。
美月<どこから間違っていたのかなあ。>
週3回。バスを待つ時間にちょうど通り過ぎる小山くんを、気づけばいつも目で追っていた。
いつも見てたらあるとき目が合って、会釈をしたら立ち止まって返してくれたので
話しかけてみようと思ったら
「・・あの!つきあってください!」
うっかり告白してしまった。
小山くんの答えは「はい。」
あそこだけは間違ってなかった、きっと。
美月はやってきたバスを見送り
美月「・・は 恥ずかしいのは小山君じゃなくて・・・・ガッカリされたくなくて・・!だから顔も・・・・見られたくなくて・・・・
・・・・だけど好きだから!」
美月は涙ながらにマスクを外し
「・・ほんとは私も ・・かおがみたい・・・!・・下の名前知りたいし!誕生日とか知りたいし!メッセージやりとりとかもしたいし!!」
小山「・・・先輩 こどもみたい」
美月「大人っぽいと思ってたよね!ガッカリだよね!!」
小山「ううん 嬉しいです。どうぞ おれもすきなんで」
美月は小山くんのマスクを外しながら
<知らないことばっかり だけどすき。すきだから、もっと知りたい>
小山「おれも 知りたいこといっぱいあります」
笑顔の小山くん。
顔を見たいは、あなたを知りたい。
——-おわり——–
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