「君に届け」番外編「運命の人」最新話 第10話 胡桃沢梅編 別マネタバレ2月号2022 感想 考察
<いつも 夢とうつつの境目にいたような気がする。
夢と現実を なるべくなるべく あやふやにして 何かあったら すぐ
現実から逃げられるように>
「ピンポーーン」 バタバタバタ・・
えーじお兄ちゃんが急いでやってきてくれました。「すぐに開けたらダメじゃん!白装束だったらどーすんの!!」
こんな一言に思わずぽろっときてしまう梅。えーじお兄ちゃんの胸に顔を埋め
梅「・・・すぐ開けてごめんなさい・・・今すぐ来てって・・わがままばっかり言ってごめんなさい。
・・・・・トマトジュースをかけて・・・ごめんなさい・・・・みんなの前で・・・・キスされたって言ってごめんなさい・・・・お金で解決しようとして・・・ごめんなさい・・・飲み会めちゃめちゃにして・・・ごめんなさい・・・・
・・自分のことばっかりで・・・ごめんなさい・・・」
<謝りたいことが 多すぎて もう 何も組み立てられない>
えーじ「・・もういーよ。誰も何も気にしてねえよ。走ったけど、俺が早く来たかっただけだし。来れなかったら来れないって言うよ。
・・それにちゃんと言ってくれたじゃん。「来て」って・・・・嬉しかったよ。
次は言うからって言ったじゃん。だから言ってくれたんでしょ?そろそろ・・・顔見せてくれる?」
「!ダっ ダメ!!」と梅。キッチンではお湯がグツグツと音を立てていて・・・思わず梅が顔を上げてしまいます。
スポンサーリンク
今日はえーじ、兄ちゃんのためにコーヒーを入れるという梅。上の棚の奥の方に置いたままのコーヒーが、なかなか届かず・・・でも自分で取りたいという梅。
するとえーじお兄ちゃんが、ひょいと梅を抱えあげ、取らせてくれたのです。
梅「・・・お 重かったでしょ・・」
えーじ「それは余裕ですけど・・・梅ちゃん、涙 止まったんじゃない」
梅「びっくりしすぎて、出るものも引っ込んだよ」
えーじ「それは良かった。いーね、いつもの元気な梅!」
梅<私のわだかまりを 抱え上げるくらい 簡単に消して。そうやって 笑ってくれるんだもん>
梅が入れてくれたコーヒーを、嬉しく思うえーじお兄ちゃん。梅は牛乳を入れないと飲めませんが・・・今日はえーじお兄ちゃんと同じものを飲みたいと思うのです。
梅<・・苦手でも 苦くても ・・・気づいてるかな。今日は 最初から 近くに座ってること>
梅はカタカタと震えながら、話をしようとします。「・・・わ わたし・・わたしは・・・」
えーじ「こっちみて!梅っ。梅が眠くなるまで、いつまでも待つよ。コーヒー飲みながら待ってる。梅も飲んじゃったけど!」
梅「・・ただ。ほんとだ、カフェイン・・・てきめんなのに!」
えーじ「まじか!じゃいーよ。しばらく素直じゃないこと言ってても」
梅「いーの!?そんなこと言って!」
えーじ「いーよ。楽しいし ずっと喋ってたい、オレ。素直じゃない梅もすきだし」
スポンサーリンク
梅「・・・・・・目を・・つぶって・・待っててくれる・・・?」
静かに目を閉じ えーじお兄ちゃんは待ちます。
梅<わたしたちは 今 たしかに 両想いで 難しいことなんて なにもなくて
不安なんて ひとつもなくて 可愛くないこといっても 結局笑って
にくたらしいこと言っても それもすき>
梅はなかなかえーじお兄ちゃんの顔に近づけません。ついに目を開くえーじお兄ちゃん。
梅「・・! えっ!?なんで あけてるのお!?」
えーじ「いやーだって 見たいかなと思って」
梅「待つって言ったじゃん!!」
えーじ「そーだっけね。じゃーーはい」目を閉じるえーじお兄ちゃん。
「警戒してます?」
梅「するに決まってんでしょー!?」
えーじ「分かった。開けない、開けない。ほんとに、いいよ。どーぞ」
梅も目を閉じて「す き」
やっとキスを交わします。そしてえーじお兄ちゃんも、食い気味に顔を近づけます。
えーじ「あはは!顔!!」
梅「ずっ ずるーーい!!」
えーじ「ちょーどいいでしょ?」
梅「うん。私よりずるくてちょーどいい!」
<その日はおかわりをしながら ずっとずっと喋って 笑って
気づいたら 夜が明けかけていた>
お腹が空いた二人はコンビニへ向かいます。明け方の朝、えーじお兄ちゃんが梅の手を握り「もう一つお願いがある」というのです。
えーじ「名前で呼んで。にーちゃんなしで。好きな子に名前で呼ばれたい
梅「・・・・えーじ・・」
えーじ「・・ てれんね・・・」
梅「う うん」 「梅は?俺にお願い」 「お願い?」 「うん して?」
梅「そうだなあ・・・・そんな贅沢はないけど・・・私のこと一生好きでいてほしいくらいかな」
えーじ「あはははは いーよ!きっと楽しーわ!夢なんか見なくてもいるよそばに!」
梅「ほんと?」
えーじ「大丈夫だよ。オレ そこら辺の白装束より、全然しつこいから!あはは」
梅「それ いちずって言うんだよ」
二人は手をつないで歩きます 。
あーーーよかった、よかった。なんだかんだお似合いのふたり。えーじお兄ちゃんの懐、大きいですよね~これからも物語は続きます!!またしばらくはありませんが、これからもお楽しみに~
——-続く————-続く——