パーフェクトワールド 漫画 ネタバレ40話(KISS 2018年7月号)感想・考察・あらすじ
鮎川「お父さんが反対するお気持ちはわかります。
でも 僕という人間をどうか知ってもらえませんか?」
つぐみ父「・・話すことは何もない!!帰ってくれ!!」
二人の争う大きな声出して、母とつぐみが病室に入ってきました。鮎川がそこにいることに、びっくりするつぐみ。
鮎川「・・今日はご挨拶だけで。また来ます・・」
つぐみは鮎川に、もし父がひどいことを言っても気にしないで・・と伝えます。
つぐみ<本当は私が間に入らなきゃいけないのに、最近父とは一切口をきいていない・・>
鮎川「最初から話を聞いてもらえるなんて思ってない。何度でも顔を出すよ。わかってもらえるまで」
それから鮎川は、毎週末 父の病院にくるようになりました。
でも何度来ても、つぐみの父が口を利くことはなく・・ただ同じ時が流れるだけ。
鮎川に疲れが、見えはじめていました・・
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つぐみは鮎川に、もう無理をしないで・・自分は覚悟ができている・・一番 鮎川が大事だと言います。
それでも鮎川は、諦めたくない・・お父さんに思いをわかってもらいたい・・堂々と川奈(つぐみ)と付き合っていきたい・・と言うのです。
満開の桜を見上げながら、つぐみは小さい時に家族で食べた、桜まんじゅうの思い出話を鮎川にするのです。
つぐみの父は仕事人間で、ほとんど家にはいませんでした。でも、毎年恒例のお花見だけは連れてってくれ、その桜まんじゅうが大好きだったと話を聞きます。
つぐみ<来年の桜が咲く頃は、家族みんなで笑顔で桜を見上げている・・そんな未来はないんだろうか・・>
鮎川は今日も父の元を訪れます。そして手土産に持ってきたのは・・あの桜まんじゅうでした。そして、退席する鮎川。
つぐみ母「久しぶりね。懐かしいわ。つぐみとお父さんの好物ね」
つぐみ父「そういえば・・覚えているか?この桜の塩漬け・・」
その年は、一度だけ行けなかったお花見の年でした。
家族にとってとても大変な一年だったのです。経営していた会社が潰れ、そして父親の体を壊し・・寝込んでしまったのです。そうしているうちに、桜もいつの間にか散ってしまい・・
寝込む父に運ばれてきたお粥の中に、桜の塩漬けが二つ入っていたのです。
そのおかゆ桜の塩漬けを、用意したのは・・まだ幼いつぐみだったのです。
つぐみ「お父さん、今年は桜見れなかったから、桜の塩漬け入れたおかゆ作りたい」
桜まんじゅうについていた自分の分から、取っておいたものをお父さんにあげたいと言ったのです。
つぐみ母「あの子たちのためにやれることが、あるんじゃないですか?前を向いて生きていかなきゃいけないんじゃないですか?」
それから父親は必死で頭を下げ、駆けずり回って・・いち社員になり、必死で働いた のです。
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つぐみ父「俺は・・自分の仕事があるから、家族が幸せでいられるんだと思ってた。
でもそうじゃなかった。家族の幸せがあるからこそ、自分が働いていられるんだと、あの時気付いた」
そう父親は話します。つぐみが東京で絵の勉強がしたいと言った時、家族は反対しましたが・・父親だけは賛成してくれたのです。
そして自分の希望した会社に入ったつぐみ。その時、とても嬉しく思ったと話す父。
そんなことを思い出させてくれた、桜まんじゅう・・
つぐみ母「それからあなたは、本当にいいお父さんになってくれた。つぐみには昔から優しい子で、そして昔よりたくましくなったわ。
良き父親として、他に娘にしてあげられること、あるんじゃないですか?」
そして次の日も、鮎川は父親の元を訪ねます。
桜まんじゅうのお礼を言う父。そして、散歩に一緒に行こうと鮎川は、父に誘われたのです!
なかなか車椅子の操縦が難しいと話す父親。
鮎川はこの機会を逃したら、もう次はないかもしれない・・今ここで自分の気持ちを伝えようと心に決めます。
綺麗な桜が、ふたりの前をさーっと散って行きます 。
そしてつぐみの父は、鮎川に話し始めるのです。
つぐみ父「・・鮎川さん。私は身をもって分かった。
自分の体が自分の意思で動かせない。誰かに頼ることでしか生活できない。それがどんなに苦しいことか。
それをあなたのは、20代の若さで背負った。私とは比べ物にならないほどの痛みだったと思う。
障害を負って、建築士までなったあなたを私は尊敬する。
こんな自分のところに何度も通ってくれて、心も優しい・・本当に誠実な方だと思う。」
鮎川「ーお父さん、つぐみさんは僕にとってかけがえのない人です。軽々しくよくそんなことを・・と思われるかもしれません。でも!!
大切にします!!二人で幸せを見つけていきます!!」
つぐみ父「私の妻は、私の介助を続けているせいで、腰を壊してだんだん歩くのも辛そうになってきている。
これから先彼女の負担は、もっと大きくなると思う。
妻の体力・時間・精神力・金銭面・生活の全てが、私のために削られていくと思う。
治療を打ち切って、自分は消えてしまった方がいいんじゃないかとすら考える。だけれども・・娘の行く末を思うと、娘の幸せを見届けるまでは死にきれないんだ。
鮎川さん、あなたは今はまだ若く 体力もあるだろう。でもいつかはきっと一般よりは早い段階で、今の私と近しい状態になるのではないか?
だとするならそこに、幸せであるとは私には思えない。
・・あなたの痛みがわかれば、分かるからこそ 私は賛成することができない。
お願いです。どうかもう二度と、来ないでいただきたい・・」
鮎川は、静かにその場を立ち去ります。
夜の公園のベンチ。ふたりで座るつぐみと鮎川。
鮎川「・・俺には人を愛する権利も、愛される権利もないのかな。
俺は・・障害を持ったことで、全ての権利をなくしたのかな・・」
つぐみ「そんなわけない。だって私こんなにあなたを愛してる。、鮎川も私を愛してくれてるんでしょう?」
つぐみは、鮎川の頭を包み込むように抱きしめます。
つぐみ「父は今、絶望の中にいる。そんな気持ちで反対してたなんて・・知らなかった。
私は理解してくれないお父さんのことを、理解しようとしてなかった。
私、お父さんの気持ちに向き合ってみる。
今のままじゃ、誰も幸せにならない。
二人のことをわかってもらうことが、父を救うことにもなると思うから ・・」
辛い現実が続きますね・・それでも、父に向かい合おうとする鮎川の強さに感激しました。
そして、それを支えるつぐみも、ずっと強くなりましたよね・・
厳しい言葉を鮎川に伝えるつぐみの父も、辛かったように思います。
前向きなふたりに、少しでもいい結果が出ることを祈って・・次回を待ちましょう!